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私の作ったショコラケーキを食べながら、
「あの、クリスマスプレゼントなの。代わり映えがないけれど」
差し出した箱を愁哉さんが微笑んで受け取ってくれた。
愁哉さんが喜ぶ姿を想像なんて出来なかったけれど、それよりももっと柔らかな笑み。
窓から漏れる月明かりを見ていたくて、静かな夜はキャンドルに火を点す。
ベッドの上で広い腕に包まれながらゆっくり夜は更けていく。
温かい胸の中で重い瞼に逆らわず、愁哉さんが私の薬指にそっとキスをした。
彼のくれたそれがキスだけではなくて、キラキラと輝くダイヤを散りばめたエンゲージリングと知るのは、目が醒めた朝─────
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Fin

