「甘んじて受けますよ、お姫様」
甘い声が耳元に落ちて、愁哉さんは私の頬に軽いキスをして、そのままチュク、と音を立てて唇の端を舐めた。
「っ!!!」
一瞬で熱を持つ顔に、悪戯に光る愁哉さんの余裕のある無意識な色気が体に悪い。
本当に、これが愁哉さんなのかしら。
見つめ合う度に、どこまでも冷めていた瞳は今甘さを滲ませて、直視しているだけで体の力が抜けそうになる。
今在る幸せに、泣きたくなる。
ねぇ、愁哉さん、私は与えられる事にこんなにも不慣れだったかしら?
だけど、
「…罰はまだですわ」
変わったのは、あなただけじゃなくてよ?
熱い顔を意識しながら、背伸びすれば、愁哉さんの唇に触れるように唇を押し当てた。

