嘘つき【-ring-】


レンズ越しの優しさの滲む瞳は私を捕らえる度に細まって、


「……嫌いになんて、なれないわ」




「そう言ったでしょう?」


悪戯に眉を寄せる仕草に恥ずかしくなる。勢いのまま言いはしたけれど、


「もしも嫌いになれたとしてもあなた以外好きになれませんもの」



どうしてこんなにも好きなのか、押し寄せる感情の波に呑まれたまま、揺れる事さえない。


愁哉さんが好き、



今この瞬間も好きで仕方ない。