「……」

 戒は苦い表情を浮かべたあと、目を閉じて薄く笑う。

「これまで大勢殺してきた人間に言う言葉とは思えんな」

「他のハンタードッグに殺されるより、彼らは幸せだったよ」

 苦しまずに死ぬ事が出来たんだからね。

 真仁は皮肉混じりに言い放つ。

 死ぬ事が定められたクローンたち──彼らに生まれた意味は、あったのだろうか?

 いや、意味などどうでもいいんだ。それはこれから見い出すかもしれない、見つけるかもしれない。

 他人が決めるものじゃない。

「君を殺せる人間なんて、いると思ってた?」

「!」

 笑って腕を組む真仁に戒は眉を寄せたが、すぐに視線を外す。