君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「おお、ほんとだあ…」

「ね? 小さくて、可愛い…」

「そうだな?」

そう言って横で屈む瑞希を見たら、達也は何か変だなと思った。

瑞希が、一段と可愛く見えるのだ。ドキドキするほどに。
まるで、天使だと思った。

(何でだ? 何でこいつ、こんなに可愛いんだよ?)

「………!」

漸く達也は気付いた。瑞希が、穏やかに微笑んでいる事に…

達也が唖然として瑞希を見ていたら、瑞希が微笑んだまま達也に顔を向けた。

達也は、その笑顔を正面から見て、あまりの可愛さに心臓が止まるんじゃないかと思った。

「可愛いわね?」

「あ、ああ、可愛いよ。いや、可愛いなんて言葉じゃ言い尽くせない」

「うふふ。それはちょっと大袈裟じゃない?」

「うわ、笑った!」

瑞希が目を細めて笑うのを見て、驚いた達也は後ろに尻餅をついてしまった。