君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

瑞希の顔の腫れはすっかり治り、達也の手のギブスも漸く外れたある休日の朝。

達也が入れた二人分のコーヒーをリビングのテーブルに置いた時、バルコニーから「あーっ!」という瑞希の叫び声がした。

達也が慌ててバルコニーに出ると、スリッパを履き、手にジョウロを持った瑞希が呆然と立ちすくんでいた。

「ど、どうした!?」

「達也、出たの!」

「出た? 何が?」

「ヒマワリの芽が」

「なんだあ。脅かすなよ…」

「ほら、見てみて?」

達也が腰を屈めて白いプランターを見ると、茶色の土の上に小さな緑の葉が2枚生えていた。

前の週に二人で蒔いたミニヒマワリの種が、芽を出したのだ。