君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「はい?」

「何だ?」

「あ、いえ、親父さんは今何て言ったのかなと…」

「分かったと言ったんだ。聞こえなかったのか?」

「じゃあ、瑞希とここで暮らしていいんですか!?」

「やむを得んだろう」

「ありがとうございます!」

達也が父親に頭を下げると、瑞希も目に涙をいっぱい溜めて頭を下げた。

「いや、私こそ頭が下がる思いだよ。おまえを息子に持った事を誇りに思う」

「親父さん…」

「ちょっとキザだったかな。あ、中山の事は心配するな。私が話を付ける」

「金ですか?」

「まあ、それが手っ取り早いだろうな。奴もそれが目当てらしいからな」

「それは止めてください。あいつは、瑞希が必死で貯めた金を盗ったんです。あんな奴に金なんか…」