君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「な、何の真似だ?」

突然目の前で土下座をする息子に、父親は狼えた。

「俺の一生のお願いです」

「わ、分かったから顔を上げろ。」

「聞いてくれますか?」

「ああ、聞くから。ソファーに座れ」

「はい」

「まさかおまえが私に頭を下げるとは思わなかったよ。余程の事なんだな?」

「はい。実は…」

達也は瑞希と自分の事、そして先日の瑞希の実家での事を全て有りのままに話した。

瑞希に土下座を見られたくなかったし、瑞希の境遇の話を瑞希の前でしたくなかったが、背に腹は代えられないと思った。


達也が全て話し終わると、無言で聞いていた父親は一言、「分かった」と言った。