瑞希の実家を後にした3人は、その足で総合病院へ行った。

瑞希の左目について、春田は眼球破裂を心配したが、幸いな事にそこまで酷くはなかった。

腫れが引くまで安静にしなければならず、視力が戻るまで時間は掛かるが、おそらく手術の必要はないだろうと、眼科の医師から言われた。


達也の右の拳は、春田が言った通り骨にヒビが入っていて、ギブスで固定された。


達也のマンションに帰り、キッチンのテーブルに達也と瑞希が並んで腰掛け、春田は帰りに買った食料を温めるなどして、二人の前に並べていった。

「さあ、食べましょう? お腹ペコペコだわ」

『いただきま〜す』

右手は包帯でグルグル巻にされ、左手でフォークを持つ達也と、左顔面を大きな絆創膏で被われた瑞希を見て、春田は大きくため息をついた。

「大変な一日だったわね…」