何の飾り気も化粧っけもなく、地味な服しか持っていないと言っていた瑞希との、そのあまりな違いに、達也はどうしようもないやり切れなさを感じた。
「池上君、行きましょう?」
声がして春田の方を見ると、春田に支えられながら瑞希が立ち上がるところだった。
「瑞希ちゃんを早く病院に連れて行きたいの。目が…」
と言って春田は表情を曇らせた。
「目が!?」
「とにかく急ぎましょう?」
「はい」
「あ、鞄…」
瑞希の足元に通学用の鞄と、大きなショルダーバッグが置いてあった。瑞希がそれらに手を伸ばすと、
「俺が持つよ」
と言って達也が右手で持とうとしたが、手に激痛が走って思わず「痛え…」と呟いた。
「君の手も診てもらわないとね。たぶん骨が折れてるわ」
「池上君、行きましょう?」
声がして春田の方を見ると、春田に支えられながら瑞希が立ち上がるところだった。
「瑞希ちゃんを早く病院に連れて行きたいの。目が…」
と言って春田は表情を曇らせた。
「目が!?」
「とにかく急ぎましょう?」
「はい」
「あ、鞄…」
瑞希の足元に通学用の鞄と、大きなショルダーバッグが置いてあった。瑞希がそれらに手を伸ばすと、
「俺が持つよ」
と言って達也が右手で持とうとしたが、手に激痛が走って思わず「痛え…」と呟いた。
「君の手も診てもらわないとね。たぶん骨が折れてるわ」



