君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「あんたは…」

達也の目からは、怒りと悲しみで涙がとめどなく流れ出した。

「この男は庇うのに、何で瑞希を庇ってやんねえんだよ!?」

瑞希の母親は、おどおどした目で達也を見上げるだけだった。

「なあ、何でだよ? 自分の子供なんだろ?」

「だ、だって、あの子を見てると、アタシを捨てたあの子の父親を思い出す…」

「ふざけんなよ! そんなのあんたの勝手だろうが! 瑞希に、何の罪があるんだよ!?」

「………」

母親は達也の剣幕に気圧され、何も言い返せなかった。

達也は、母親を殴りたいと思った。しかし、母親の腰にしがみつき、怯えた目で達也を見上げる少女の存在に気付き、母親の腕を放した。

瑞希が言っていた、半分だけ血の繋がった妹だろう。小学校の低学年くらいだろうか…

フリルがいっぱい付いた可愛い服を着て、髪は綺麗に梳かされ、水色のリボンが付けられている。