君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

そして瑞希が受けた痛みを感じると、瑞希が可哀相で涙が溢れた。

「なんだ、泣いてんのか? だらしねえ奴だな。痛い目にあいたくなきゃ、さっさとうせな」

「この涙は、瑞希のための涙だ」

「なんだと?」

「あんた、殴られた者の痛みがわかるか?」

「し、知るかよ、そんなこと…」

「やっぱりな。じゃあ俺が教えてやるよ」

達也の氷のように冷たい目で見下ろされ、義父は後退りをした。

そんな義父を睨みつけ、達也は前へと進んだ。

「コノヤロー!」

義父が再び右手で拳を突き出したが、それを達也は左手で難なく受け止めた。

「今は俺が殴る番なんだよ」

義父の目に、恐怖の色が浮かんだ。