君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「頼むから、俺を安心させてくれよ?」

「イヤ。見ないで…」

頑なに顔を見せない瑞希に、達也は嫌な予感がした。

瑞希の頭に手をやり、やや強引にこちらを向かせると、瑞希は涙をいっぱい溜めた目で達也を見た。

が、それは右の目だけで、左は瑞希の小さな手で被われていた。

その手をそっと掴むと、瑞希は「イヤ、見ないで?」と言った。

「大丈夫だから、俺を信じて。な?」

達也は優しくそう言うと、瑞希の手をゆっくりと顔から放していった。

露になった瑞希の左顔面を見て、達也は絶句した。
いつのまにか背後に来ていた春田も、それを見て息を飲んだ。

目の辺りは大きく、黒く腫れ上がり、瞼がどこにあるかも、わからないほどだった。