君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「焼肉、結構美味かったな?」

「はい、美味しかったです」

夜も深まり、二人は並んでベッドに横たわっている。
瑞希からは女物のリンスの甘い香が漂い、達也の脳を刺激していた。

「私、あんなにお肉をいっぱい食べたの初めてです」

「俺も、あんなに野菜をたくさん食ったのは初めてかも」

「そうなんですか? お野菜はいつもたくさん食べないとダメですよ?」

「おまえだって、肉をいっぱい食べないと、力出ないぞ」

「はーい」

「瑞希…!」

「きゃっ」

達也はガバッと体を起こすと、瑞希の上に覆いかぶさった。

「おまえ、さっきからずっと敬語使ってるの分かってる?」

「そ、そうですか?」

「ほら、まただ」