君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

『そんな事は…』

思わず達也と瑞希は同時にハモり、恥ずかしさで頬を染めていた。

「二人とも初々しいわね…
ねえ。こんなに広いんだし、このまま同棲しちゃえば?」

『………!』

突然の春田の言葉に、二人は絶句してしまった。
校医とは言え、まさか教師から同棲を勧められるとは、思いもよらなかった。

「せ、先生、冗談は止めてください」

「あら、私は本気よ」

「え? そんな事、無理に決まってるじゃないですか。なあ?」

達也から“なあ?”と言われた瑞希は、コクッと頷くしかなかったが、内心は、春田が言うように、ここで達也と暮らして行けたら、どんなに素敵だろうと思うのだった。