達也と春田がリビングに戻ると、ちょうど瑞希もキッチンから戻って来たところだった。

「あら、瑞希ちゃん、こんばんは」

「あ、先生。こんばんは」

「体の調子はどう?」

「はい、もう何ともありません」

「そう? 顔色も良くなったし、元気そうね?」

「はい」

「これ、食べて?」

そう言って春田は、手にぶら下げていた紙の箱を瑞希に手渡した。

「あ、はい…」

「ケーキよ。ご飯の後、二人で食べてね?」

「ありがとうございます。あ、それとこの服とかスリッパとか、たくさん買っていただいて、ありがとうございました」

「いいのよ、気にしないで?」

「先生、座ってください。お茶を入れますから…」

達也が春田にソファーを勧めたが、

「いいのよ、もう帰るから。それにしてもあなた達、お似合いね?」