君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

やがて本編が終わり、席を立つ人がチラホラいるが、達也を含めた多くの人は座ったままだった。

瑞希はそれが不思議で達也の顔を覗き込むと、「ちょっと待って?」と言いながら、達也はスクリーンを真剣に見ていた。

(達也ってこういうのも真面目に見る人なんだ…)

と思いながら瑞希もスクリーンを見ていると、最後に映画のシーンが映し出された。それは続編を匂わせるもので、「やっぱりな」と達也は呟いた。

それも終わると館内が明るくなり、達也が立ち上がったので瑞希も立ち上がった。


「どうだった?」

歩きながら達也がそう聞くと、

「面白かった!」

と瑞希は目を輝かせて答えた。
実際に瑞希は、初めて映画をスクリーンで観た事に興奮気味だった。

「そう? なら、よかった」

そんな瑞希に達也は優しく微笑むのだった。