君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

(グロいって、グロテスクって意味よね? 大丈夫かなあ…)

瑞希はグロテスクなシーンのある映画やドラマを観た事がないので分からないが、自分が怖がりだという事は知っているので、達也に言われて不安になってしまった。

でも、達也が観たがっていた映画なんだから、自分は我慢しようと心に決めた。

「ま、これでも食べて、なるべくリラックスしてさ…」

そう言って達也は瑞希の膝に乗ったバケツに手を入れ、ポップコーンを一つまみ掴んだ。

「う、うん…」

瑞希もポップコーンを摘んで口に入れた。

「美味しい…」

「そう? 飲み物はココに置けばいいよ」

「あ、はい」

達也に言われ、瑞希は肘掛けにコーラを置いた。

映画への不安はあるものの、こうして達也と一緒に観られる事が楽しみな瑞希だった。