君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

返事をしてから、瑞希はハッとして達也を見つめた。

「ん?」

「いま“はい”って言っちゃったから、デコピンよね?」

「あ…そうだっけ? でも、もうデコピンはなしでいいや」

「そうなの?」

「ああ。代わりに…キスな?」

「えーっ」

と驚いた声を出した瑞希だが、その割には素直に達也を見上げると、目を閉じて達也のキスを待っていた。

「えっと……、今夜はいいや。明日からって事で…」

瑞希は目を開けて不思議そうな目で達也を見た。

(今キスなんかしたら、俺の理性がぶっ飛んじまうよ)


瑞希がおとなしくソファーに座ると、達也はその後ろに立ち、ドライヤーのスイッチを入れ、暖かい風を瑞希の髪に当てた。