君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

達也は脱衣所にドライヤーを取りに行ったのだが、ついでにバスルームの中を覗いてみた。

浴槽には蓋がしてあり、椅子や桶などもきちんと整頓されていた。

(よしよし、きちんとしてあるな)

達也は潔癖症という程ではないが、比較的綺麗好きで、身の回りのだらしない人間は好きではなかったので、バスルームの様子を見て安心をした。

そして、見慣れないピンクの垢すりタオルや、女性用のシャンプーやリンスなどが目に止まると、ちょっとくすぐったいような、奇妙な感じがした。


部屋に戻ると、瑞希はバスタオルで頭をゴシゴシ拭いているところだった。

「瑞希、そこのソファーに座ってくれ」

達也はドライヤーの電源プラグを壁のコンセントに差し込みながらそう言った。

「あ、はい」