君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

達也がソファーで横になってテレビを観ていると、瑞希が風呂から帰って来た。

立ち上がって瑞希が脱いだ服をクローゼットに仕舞おうとしたら、瑞希が自分ですると言うので、達也はキッチンへ行き、冷蔵庫からコンビニで買ったお茶のペットボトルを持って来て瑞希に渡した。

「ありがとう」

「どういたしまして。あれ? 髪の毛がまだ濡れてるぞ。ドライヤーを使わなかったのか?」

「うん…」

瑞希の肩まである黒髪は、まだ濡れたまま光を放っていた。

脱衣所に達也のドライヤーがあったのだが、瑞希はその使い方がよく分からなくて使わなかったのだ。

「よく乾かしておかないと、明日の朝すごい事になるぞ」

そう言うなり、達也は部屋を出て行った。