君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

「これも先生が?」

「そう。しかもお揃い」

瑞希の向かいに腰掛けながら、達也がテーブルにコトンと置いたのは、またしても水色のマグカップで、上目遣いのキャラがプリントされていた。

「それも可愛い…」

「あの先生って、ピンクと水色が好きなのかな?」

「あ、そうみたいです…」

そう言って、なぜか瑞希は顔を赤くした。

「え?」

達也が不思議に思って瑞希の顔を見ると、瑞希は恥ずかしそうに目を伏せながら、瑞希の横に置かれている、例のピンクの紙袋に目をやった。

「え? ……ああ、そういう事? もしかして、それにもこんなふざけた顔が付いてるとか?」

「え? うそ…」

瑞希は慌てて紙袋を持ち、中を覗いてみた。

「もう…付いてるわけないじゃないですかあ」

「ほんとに?」

「はい。見ますか?」

瑞希は「はい」と言って紙袋を達也に差し出した。