君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

(どうしたんだろう、俺。アイツが傍にいると、何しでかすか分かんね…)


少しすると、キッチンからコーヒーの香が漂って来た。

瑞希はそれを心地好く感じながら、達也のノートを読んでいた。

(ちっとも汚くなんかないし、丁寧な読みやすい字じゃない…。達也って、意外とちゃんと勉強する人なんだな…)


瑞希はそれを自分のノートに書き写しながら、達也への信頼の気持ちがどんどん高まっていくのを感じていた。


「はい、どうぞ」

声がしたので瑞希が顔を上げると、目の前にピンクの丸っこいマグカップがコトンと置かれた。

「ありがとう。わあ、可愛い…」

そのマグカップには、スリッパと同じくバーバパパの、ウィンクしたキャラクターがプリントされていた。