君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

初めて見る達也の私服姿は、瑞希にとっては新鮮で、格好良かった。

上は白いVネックの七分袖のシャッに濃いグレーのベスト。下は細いホワイトジーンズに幅広な黒のベルト。

時々テレビで見かけるアイドルが、そのままテレビから飛び出して来たみたいだなと思った。


「もう、お掃除終わったんですか?」

「うん、チャチャッとね」

「本当に一人で住んでるんですか? こんなに広いのに…」

「そうだよ。この部屋はおやじが用意してくれたんだけど、無駄に広いから掃除が大変だよ。
おやじは家政婦さんを雇えばいいとか言うけど、あまり他人を入れたくないんだよね…」

「じゃあ、やっぱり私は…」

「あ、いや瑞希は別。全然迷惑なんかじゃないから、気にすんな」

「あ、はい」

「そう言えば、ここに身内以外を入れたのは今日が初めてだな」