君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

達也は、瑞希の目を見ながら徐々に顔を近付けて行った。
そして、二人の鼻と鼻が付きそうになった時…

「達也……」

瑞希は甘い吐息と共に達也の名を呼んだ。

「ん?」

達也は少し顔を離すと、瑞希の頭に手をやり、乱れた前髪を指で整えてあげた。

「あの……」

そしてその指で、瑞希の柔らかく、すべすべした頬をそっと撫でた。

「なんだい?」

「なんか、脚の辺りが痛いです…」

瑞希はそう言うと、頬をポッと赤く染めた。

「え?」

達也はすぐに体を浮かせ、下を覗き込んだ。どうやら、達也のベルトのバックルが、瑞希の脚の付け根、もしくは下腹部に当たっていたらしい。

「あ、ごめん。大丈夫?」

「はい、大丈夫です」


そう言って瑞希は体を起こしてしまい、達也はキスするチャンスを逃したのだった。