君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~

そして、中から化学と数学の教科書とノート、それにペンケースなどを出してテーブルの上に並べた。

瑞希は、休んでしまったそれらの授業の事がずっと気になっていた。なんとかその遅れを取り戻したいと…

教科書を読んだだけでは不十分だが、それでも理解できる範囲で頭に入れておこうと思い、まずは化学の教科書から読み始める事にした。


寸暇を惜しんで勉強して来た瑞希は、すぐそれに集中する事が出来る。そのため、達也がリビングに戻った事に気付かず、

「勉強してんだ…。偉いなあ」

頭の上から声がして、漸くそれに気付いた瑞希だった。

「あ、ごめんなさい。午後の授業が気になっちゃって…」

「いや、別に謝ることないって……あっ」

「え? あ、いけない…」

「“ごめん”って言ったよな?」

「はい…」

「じゃあ、お仕置きな?」