家へ帰ると、ちょうどお義父さんが出かける所だった。


「旦那様、行ってらっしゃいませ!」


すかさず晴彦は頭を下げ、そう言った。


まだ、こういう光景には慣れないけれど、慌てて私も頭を下げる。


すると、お義父さんは、私を見て微笑んだ。


「由奈ちゃん、佑斗とケンカでもしたか?あいつ相当機嫌が悪かったぞ」

「えっ!!」


やっぱり…。


お義父さんの言葉に、冷や汗が出る。


「若旦那、もう帰ってるんですね」


晴彦の言葉に頷くと、


「仲直りしてやってくれな」


そう言って、お義父さんは車に乗り込み出て行った。