「嫌!絶対に嫌!」


私は、ダイニングの椅子から立ち上がり、父に抵抗をした。


珍しく、朝から話しがあると言ってきたと思ったら、


「由奈に婚約話を持ってきた」


と、言ってきたのだ。


「お前だって知っているだろう?これは、我が家の風習なんだ」


「それは知ってるけど…。でも、今時、流行らないよ」


何でたった16歳で、将来の夫を決められないといけないの…。


がっくりと肩を落として、深いため息をついた。