「一人で外に出るなんて、久しぶりだなぁ」


いつも、晴彦が一緒だから新鮮。


智久はあの事件以来、学校を変えてこの近くにはいないらしい。


だったら、一人で出かけたって大丈夫って事よね。


そう思って、気分転換に散歩でもしようと勢いよく出かけた途端、誰かとぶつかった。


「ごめんなさい」


見ると、背の高い男の人が立っていた。


背丈は、佑斗と同じくらい。


目鼻立ちのハッキリとした美形だ。


少し長めの黒髪が、妙に色っぽい。


誰かに似てるんだけど・・・。


思わず見とれていた時だった。


「由奈!」


佑斗が飛び出て来た。