エレキはヘッドフォンをつけた。

特に音楽を聴いているのではなく、周りの音を聴いている。


人が何を話しているのか。
盗み聞きではないが…。

中央区には人が多い。
さすが、町の中心部。

歩いていると、
背後に何かが当たった感覚。
後ろに振り向いた。



「…ごめんなさい。」

「あ、いや。大丈夫か?」



同じ制服を着た茶髪の少女。
転んだようだ。

手を差し出して立たせる。



「ありがとう。」

「どういたしまして。じゃあな。」



人と別れて、また、歩き出す。

そして、又もや人と出会った。



「よお、磁波エレキ。」

「あなたは…黒川さん?」



目の前に黒川赤次の登場。
エレキは立ち止まった。