「遠夜の隣りだと、

ヤケに嬉しそうに、

ピアノ弾くんだな。」




そりゃあ、

遠夜だもん。





「…遠夜と一緒にいると、

凄く安心するんだもの。

当たり前でしょ?」





梓は驚いた顔をしたけど、

何故か顔をしかめて、

「それ、本人に言ってやれよ。」

と言った。




どう言う意味か考えて、


あ…。

そうとったか。


落ち着いて言った。







「梓が考えてるような

そういう意味じゃないから。

遠夜は、

梓とは違うもの。


…てか、

自分こそ、

響子さんには優しいくせに。

好きなんでしょ?!


告白すればいいじゃない。」



梓は、

更に顔をしかめて

衝撃的な事を言った。





「俺は

お前とは違うんだよ。


思ったら、即実行。


とっくの昔にして、フラれた。

これで、気が済んだか?」







「…えっ。」



ズキっ…。


なんだろ?



胸が

締め付けられるように…痛い。




初めての感覚。


周りの音が

段々遠ざかって行って。




これは…

認めたくないけれど、

ショックを受けてる?

そうなの?




「…へぇー。

そう、なんだ。

今でも、好きなの?」





そんな気持ちと

裏腹に出て来た言葉は、


冷静



というか

冷たかった。






梓は、

また顔を歪めたけど、

息をついて言った。





「…どうだろうな。

分からない。」





分からない?



それって、まだ…。