「失恋ってしたことある?」
「はぁ?!」
そりゃあ、驚くよね。
聞く人間違えたな。
響子さんに聞くべきだよね。
「ごめん。
変なこと聞いたね。」
「…別に。
無い訳じゃねーし。
お前だって、あるだろ?」
「…。」
「…ないのか。」
「梓君、ちょっと今いい?」
スタッフが声をかけてきた。
「はい。…続きは、後でな。」
去って行った梓の後ろをじっと見つめた。
失恋。
あの梓が、失恋…。
驚いたせいなのか、
胸の奥が少しズキンとした。
失恋したことあるんだ。
…一体、誰に?
関係ない事だけど
こんなに、
気になるのは
どうしてだろう。
「美紀ちゃん!どうしたの?」
後ろから、
響子さんが話し掛けてきた。
響子さんなら、
きっと
相手を知ってるだろうな。
「ん?
何?
私に何かついてる?」
「梓の失恋相手しってます?」
って、
喉まで出かけたけど、
飲み込んだ。
「何でも無いです。
今日も頑張りましょう。」
何故か分からない。
けど、
聞きたい気持ちの裏腹に
聞きたくない自分がいることに気付いた。
なんだろう?
このモヤモヤは。

