○5○ 私は、ドジだった。 急ぐあまりに、 目の前に、 段差があることに 気付かなかった。 「おい! そこ、段差が…。」 「えっ! きゃぁっ…?!」 その段差に、 足を引っ掛けて、 そのまま、 足がもつれて…。 「危な…」 梓は、 とっさに、 私の腕を掴んで、 引き寄せた。 その反動で、 勢いよく、 梓の方へ飛び込んで…。 そして…。