ありえない…。




だって、私は、

ナイトをやっと掴みかけてきた所なんだよ??


遠夜みたいに、一人二役だなんて…。









考えるだけで、ゾッとするよ。








無理!!

絶対、無理!!








「よし!

梓も気合いが入ってるみたいだし、

そろそろスタンバイといくか!」









社長は、嬉しそうに言った。





私は、そんな不安を抱えながら、

スタッフに言われるがままに、



梓とエレベーターに乗って、スタンバイした。











と言っても、本番まで5分ある。







まだ動かないエレベーターの上で二人、

じっと立っていた。









「…ふぅ。」









私は、息を着いた。








なんか、今まで息着く暇も無かったなぁ。




まぁ、今だって、本番前なんだから


息なんて着いてる暇なんかじゃないだろうけど。












「どうした?

緊張って柄じゃないし…疲れたのか?」









梓は、首を傾げて言った。















この人、何者??





疲れた顔、一つ見せない。



私の倍は働いているんだから、

もの凄い疲れてるはずなのに。