そんな私に、梓は顔を歪ませたが、 息をついて言った。 「…はぁ。 めんどくせー女。 そうだ、俺が悪かった。 …認めてやるから。 だから、そんなに怒るなよ。 俺の名前は、瀬川 梓(せがわ あずさ)。 この業界では、下の名前"梓"で通ってる。 これで、気は済んだか? …それで、お前は?」 素直に答えたような、 …全然、そうじゃないような…。 まあ、とりあえず、ちゃんと、答えたし、 今回は、仕方ないか。 私は、ゆっくり椅子に座って言った。