私は、梓をちらっと見た。
梓は、キャサリーを見ながら、
悔しそうに、
譜面を握り締めていた。
それを見たら…。
…なんか、
私まで悔しくなってきた。
あんな、いい曲なのに…。
それに、
梓は忙しい身だから、
きっと、
あの曲を覚えるのに、
寝る間も惜しんで、
頑張ってきたんだろうなぁ。。。
譜面、
あんなにボロボロになってたもん…。
って、私!!!
なんか、
いつの間にか、
情に流されてたけど…。
あんなやつ、
嫌いなんだから、
どうでもいいことじゃない!!
むしろ、いい気味じゃない!!
…でも…。
私は、
ふと、
車の中で話した事を思いだした。
"遠夜と
元に戻るきっかけになると
思ってたのにな…。"
あぁ…。
このままだと、
せっかくのいい曲も台無しだし、
遠夜と梓のことだって、
後味悪いし。。。
どうにかならないのかなぁ?
このままじゃ、
梓が、あまりにも不敏だ。

