サンタの「良い子の妖精リスト」もそろそろ終わりかけだった。
下のほうがよく見えていなかったサンタだったが、妙な名前を見つけたのだった。
名前が掠(かす)れてきていてよく読めないのだった。
どういうことだろう、とは考えていたがサンタは仕事を着々とこなしていくのだった。
リストの下から二番目の妖精にプレゼントを渡す。
走って家のなかに入っていく妖精、喜びのあまりはしゃぎ回っているようだった。
それを見届けた時、サンタはリストの一番下の名前がほとんど読む事ができなくなっているのが分かった。
「スレイプ、これなんじゃが…………」
「読めないですよ、しっかり書いておいてくださいね!?」
「いやいや、わしはきちんと書いたんじゃが……」
二人とも悩んでいる。
残された袋の中にはプレゼントが一つだけ。
その時だった。
遠くから泣き声が聴こえてきたのだった。
サンタとトナカイは近寄ってみることにしたのだった。
この聖夜に泣いている、「ふしあわせ」な存在があってはいけない。
彼らはそう思ったのだった。



