寒いので、冷気を遮断するためにドアを閉める。 環奈に向き直ると、珍しくすごくニコニコしていた。 可愛い…いや、今はそうじゃないだろ。クラッカーはいいよ、そうじゃなくてさ、環奈… ____ 「そ、その格好は?」 真っ赤な布で作られたそれを着た環奈は、袖口の部分を指先で掴みながら、腕を広げる。 「…サンタさんだけど。ど?」 「いや、それはそうなんだけど…」 口ごもる俺に、環奈の表情はみるみる雲っていく。 「…ダメ?」