ある意味さっさとぬぐってほしくて、忠告すると環奈は「どこ?」と訊ねる。 俺からみて左側の自分の口元を指で指す。 すると、環奈は自分の左側をゆびで拭う。 「や、こっち」 そういって自分の右側を指すと、よくわかんなくなったらしい。「え?どっちだ?」と混乱し始めた。 「だからっ」 俺は自分の席を立ち、環奈の隣の席へ移動した。 環奈と見合う。 すると、俺は唇しか目がいかなくなってしまった。 「…っ」