少し空気がおかしくなったところで、環奈が慌てたように言う。
「ふ、ふぅ~しよ!」
あ、うん、と何だかよく分からんが、生返事をした。
ケーキに顔を近づける。と、共に環奈の顔も近い。横顔がくっきり見える。
ほっぺたぷにぷにしてそうだな。
てか、この距離ならキスできる。
そんなことを突如、俺の脳内に浮かぶ。
キスキスキスキス_______頭の中はそれだけになってしまい思わず混乱する。
やべ、俺どこの中学生だよ。仮にも俺、大学生だしキスだって初めてじゃない…し。
「光輝?」
いつまでもふぅ~しないから怪訝に思ったのか、環奈が横を向いた。
あ。

