吐く息は白く、空気はピリリと肌を刺す。

手袋をした両手をこすり合わせ、マフラーをしていない首をすくませて、長門は静まり返った住宅街を歩いていた。

ツリーの前に居たときは少ししか降っていなかった雪は今やびゅうびゅうと吹雪いている。

最初はあまり見ない雪に喜びを露にしていた長門もこの状態には歓喜の声を上げなかった。

止んだ後のことを考えて顔をほころばせはしたが。