姉に引っ張られ、やや引きずられるようにして歩を進めるエレナは振り向いてまた今度、と手を振る。

それに長門もまた今度な、と返す。

「また、今度ってまた会えるんかいな」

人ごみに飲み込まれていく2人の少女の後姿を見送る長門は一人ごちた。

エレナと携帯の番号やメールアドレスを交換したことを彼はそのとき、すっかり忘れていた。

やがて長門も家路に着き、巨大なツリーの下には賑やかな喧騒が残された。