「エレナが名前で呼ぶほど信頼してるなら、安心……なわけない。 他人は信頼できないんだから。 でも、妹を、エレナを助けてくれたことは感謝してる。 Grazie」

緩みかけた表情を引き締めて少女は言った。

その後彼女はエレナの手を握り、身を翻す。

先ほどの一言で何かを使い果たしたように急いでいた。