あと少しで人波を抜けようかというとき、頭に1つのことが閃いた。 手を塞がれているのならば足を使えばいい。 少女はすぐにそれを実行に移した。 ずるずると引きずられるだけだった右足でアスファルトを蹴り、振り上げる。 先行する男の背中めがけて。