「エレナちゃん、行こか」 「はい」 若干ぎこちない笑みと共に差し出される手袋をはめた手。 その手をエレナはとった。 やっぱり、この人は面白い人だと思いながら。 彼の着ているコートと同じ深緑の瞳に微笑を浮かべて。