「せや、譲ちゃんはなんていうんや? 別に俺は譲ちゃんでもかまわんねんけど、見たとこ同い年ぐらいやさかいにそれも失礼かなって思ってんねん。 嫌やったら言わんでええで」

名前を聞きつつ、強制はせずさらに理由までしっかりと述べる長門を少女は正直でいい人だなと思った。

「エレナです。エレナ・レジナ」

「えーっと……エレナちゃんか。よろしゅうな」

いきなり人を名前で呼ぶ彼にエレナは少し驚きつつも、この人はこういう人なのだと納得する。

それに、嫌な気はしなかった。