窓の外ではちらちらと雪が降り始めた。
道理で寒いはずだ。
普段はめったに見れない貴重な雪だけど、みんなはしずの周りにいて気づいてないみたい。
「あんたも大概地味だねぇ」
あたしは窓の外に向かってポツリとつぶやいた。
みんなが雪に気付いたのは、始業チャイムが鳴る直前のこと。
「あれ、雪降ってる！」
誰かの叫びに反応して、やっと気付いたみたいだった。
あたしはとっくの昔に気づいてたよなんて、訳も無く優越感。
そんな風に思ってる自分がちょっと嫌で、それをかき消すように窓を指でなぞった。
冷たい外気にさらされた窓は、指が凍りそうなほど冷たかった。
