あたたかな結晶



一方あたしはクラスでも大変地味な存在だった。


特別成績がいいわけでもなければ、みんなを笑わせるような能力も無い。

友達はいたけれど女同士の割にはさばさばしたもので、休みの日に遊んだりするような深い仲ではなかった。


学校というひとつの舞台でしゃべって、笑って、ただそれだけだった。


決まった委員会も整美委員だなんていう、面倒くさいのに目立たない委員会。

地味なあたしにはお似合いだ、なんて思ったことを覚えている。


メガネをしているとか、三つ編みだとか、そんな絵に描いたような地味さじゃない。

だけどあたしには何か、本当に何か微妙な所で華やかさが欠けていた。

そしてその微妙さは意外と深くあたしとしずの間に境界線を作った。


友達だけど、友達だと思っているけれど、一緒にいてどこか違和感は常にあった。

それは彼の笑顔だけじゃ拭いきれないものだった。


しずはあたしといてそう思わない?