あたたかな結晶



誰もいない教室で、外では雪が降っていて。


いるのはあたしたち2人だけ。


なのにどうして今、こんなにも暑いんだろう。

次に出てくる言葉なんてもう決まっているのに、それを促すしずはずるい。



「えぇっと…」


あたしが言葉に詰まっても、しずは急かそうとせずじっと待っている。

「えっと…」


何を言えばいいんだろう、どう言えばいいんだろう。

言いたいことは頭の中にあるのに。


「えと、その、あの…」


ああもう、自分がこんなに情けないなんてしらなかった。