あたたかな結晶



寒さのせいか、しずの頬がほんのり赤く染まる。

教室も人がいなくなって冷え込んできたことだし、ノート写しも終わった。


「じゃ、帰ろっか」

「あ、ちょっ、待て!」


いきなりしずに腕を引っ張られてあたしはバランスを崩す。

「きゃあっ」

かろうじてこけずに済んだものの、あたしは強かに机に肘を打ち付けてしまった。

ちょっと、いやいやかなり痛い。


その痛さとしずのわけのわからなさにイライラして、ついつい口調がきつくなってしまう。

「いったい!何すんの!」

途端にしずが申し訳なさそうにうつむく。


ぼそぼそと歯切れ悪くその口が動いた。

「…ごめん」